違いがわかる“刷毛のおはなし”

      2017/03/21

 - 塗る道具

刷毛の種類には大きく分けて、次のような3つの違いがあります。

   【1】 形のちがい

   【2】 毛の種類のちがい

   【3】 価格のちがい

ここではその違いについてご紹介します。
刷毛えらびの参考にしていただけると嬉しいです。


【1】形のちがい

「筋違い刷毛」⇔「平刷毛」

刷毛の形の違い

■筋違い(すじかい)刷毛

えんぴつを持つように持ち、指先の動きで繊細な刷毛運びを可能にする日本独自の形です。
塗りに繊細な仕上がりを追究する日本人らしい形の刷毛と言ってもいいと思います。

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■平刷毛

日本では主に広い面を塗るときなどに用いられる柄が、毛先に対してまっすぐな形です。
海外ではこの形が当たり前で、海外のペイントブランドからもスタイリッシュなロゴ入りブラシが発売されています。

IMG_7702

 


 

【2】毛の種類

「動物の毛」⇔「化学繊維」

獣毛・化繊②

■動物の毛(獣毛)

刷毛に使われるのは、ヤギや馬や豚などの動物の毛、獣毛です。
動物の毛には、人間の髪の毛と同じ様にキューティクルがあります。

よくシャンプーのテレビCMなどで写真やイメージ図を目にすることがありますが
毛の周りにうろこ状キューティクルがあることで、毛の含みがとても良くなります。

また動物の毛は、ストレートに見えていても微妙なうねりがあり、そのうねりが更に塗料の含みを良くします。

■化学繊維

一方のナイロンやポリエステルなどの化学繊維は、動物の毛に比べて塗料含みという点では劣るというのが一般的です。

ただ技術の進化によって、動物の毛のように微妙なうねりを持たせたり、1本1本の毛の形状を変えるなど塗料含みを向上させた化学繊維の商品もあります。

塗料についても、現在は液体分が蒸発することによって硬化し塗膜面を形成する塗料だけでなく、化学変化によって硬化する塗料なども増えています。
そういった塗料の中には、動物の毛は適していないものもありますので、化学繊維の刷毛を使います。

水性塗料には化学繊維の刷毛をおすすめします。


 

【3】価格の差

「価格が高い」⇔「価格が安い」

実際に価格の違う刷毛には、それ相応の品質の差があると言っても過言ではないと思います。
例えば動物の毛の場合、同じ1匹のヤギから採れる毛でも、その部位によって大きく質の違いがあります。ヤギは顎や尻尾などよく動かして血流のよい箇所から採れる上質の毛は高価になり、常に雨風にさらされる背中の毛などは質の良くない毛は安価になります。

化学繊維の場合にしても、塗料含みを良くするために毛にうねりを持たせたり、毛先を細くする手間など塗り心地や美しい仕上がりのためにかかっている手間や技術が価格に差を生むのです。

刷毛は、ホームセンターや100円ショップでも購入できますが、気軽に購入できる安価な商品には、安い理由があります。

価格が高ければ良いとは一概に言えませんが、せっかく質の良い塗料でも、塗る道具次第で、仕上がりや作業性に大きな差が生まれ、満足な結果が得られないことは多々あります。

 


 

ペイントナビでは、それぞれの塗料の特性に適した道具をおすすめしています。

 

主な塗料ブランドに適した道具は下記を参考にご覧ください。

■ベンジャミンムーア

水性アクリル樹脂系の塗料なので、化学繊維の刷毛が適しています。ブランドロゴの入ったお洒落なブラシ(平刷毛)タイプも人気です。建具や家具など、より繊細に仕上げにこだわりたい時は、筋違いタイプの化学繊維をお使いください。もちろん壁にもおススメです。

Benjamin Moore ブラシ

筋違いタイプ(壁・建具・家具)巾広め

もっと繊細な(家具・小物)

■オスモカラー

粘度が高い塗料なので、やわらかい刷毛だとベチャっとつき過ぎてしまって、乾燥不良を引き起こすなど失敗の原因になります。筋違いタイプも平ブラシタイプも堅い獣毛の刷毛をご用意しています。フローリングやウッドデッキなど広い面を塗るときは、コテバケやワイドブラシが便利です。

OSMO color

 

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